================================================================= 交通事故に遭うとどうなるか 第55回 交通事故と病院と医師 =================================================================  交通事故に遭ったばっかりに何年か通っていた病院と縁を切ることに なりました。家族も入院したこともあるし、私も手術をしてもらいまし たし、命も救ってもらいました。それなのに残念です。  今思えば、唐突に、ちょっと上向いて(その合間にファイバースコープ を鼻の中にひょい)、はい問題ありません。これ窓口での支払額が2000 円以上アップとか、どう考えても必要もないのに、念のため視力の検査 しましょうで、意味の無いことに付き合わされて、更に検査料を取られ たりとちょっと金儲け主義が見え隠れはしていました。  交通事故に関する治療でこんな変なことになるのは、どうも医師全般 が交通事故に対して仕組みが分かっていないためと、病院の儲け主義の ためにこのようなことになるような気がします。はじめの病院は受付か ら何から、いくつかの部署でおかしいことが続きました。(もちろん良い 対応の職員もたくさんおられます)ですが、このおかしい対応はこの病 院だけではなく、この後に受診する病院でも少なからずおかしいものは 感じられました。  交通事故のけがの場合、治療して、治療効果がなくなったら症状固定 と称して後遺障害診断を医師にしてもらいます。その書類で自賠責また は労災保険に申請をするという段取りになります。一般的には後遺症と 言いますが、正式には後遺障害と言うみたいです。  本当は治るまで治療したいものですが、治療効果がなくなった時点、 治療を続けても、良くもならず、悪くもならず、そういう時には以後の 治療費や慰謝料などを一生分計算できることになります。それで一気に 精算して、加害者としても被害者としても終わりにしましょうと、こう いう趣旨のようです。  それ以後は両方とも事故からは吹っ切れて、気持ちの上ですっきりで きるようになるという意味で趣旨は良いのです。ですが、現実には保険 会社の治療費、慰謝料など賠償金の払い渋りの手段として利用されてい ます。  後遺障害の申請はおおむね6ヵ月後を目処に行うようです。これ以上治 らないのであるから、一生分を一気に計算できます。建前上、以後のも のを含んで支払われるのですから、これ以降にかかった治療費などは誰 も予期できない不測の事態が起こらなければ一切支払ってもらえなくな ります。 実際には、不測の事態が起こっても保険会社は認めないので裁判するし かないみたいです。労災の場合は基準に合えばそれ以後も治療費の一部 などがもらえることがあるみたいです。自由診療や健康保険での治療の 場合は、この症状固定を境に治療費は自腹になり、後遺症のほうでもら ったお金で治療し続けることになります。  もらえるお金は、けがの分(治療費、交通費、入院費、雑費、休業損害、 慰謝料など)のほかに後遺症分としても慰謝料、必要な機器の購入費、 メンテナンス費、機器の定期的な買い替え費用、月々の消耗品、介護費 用などもうまく証明して請求すれば出るようです。また、建前上は後遺 症は一生続くのですが、実際は何年かすると軽減するものもあるようで、 金額的にも順次減っていくようになるようです。  なので、後遺症の診断は保険屋さんが対応しているかどうかや、健康 保険であるかどうかは全く関係してきません。  こういう流れはどうやら医師達は知らないようです。後遺障害の診断 は治すという医師の目的とは離れてきます。直せなかった自己採点の診 断書となりますし、そもそも知識のないところに興味もない検査を色々 とやらなければなりません。Webで調べたところ、後遺障害の検査をする 時間というのは、医師は無給でやるらしいです。そういうことからまず 嫌がるようで、私も実際に2人の医師から拒否されています。(その後さ らに2名の医師にも拒否されています)  それで、この後遺障害の診断ですが、けがに対して治療効果のなくな った時点か、または通常は6ヶ月経てば後遺症の申請ができるようです。 指がなくなった場合など、6ヶ月経っても生えてくるはずもない場合など は6ヶ月経たなくても申請可能と聞いています。  後遺症と言うと、定義的にも、また世間一般の認識でも、もう治らな いと思ってはいませんか? 実は、少し上でも書きましたが、治療効果が ないと言いつつも、しばらく経つと幾分治ることが多いようなのです。 なので、交通事故に詳しい方はさっさと申請してしまいます。  自分に後遺障害として残ってしまうのは被害者には耐え難いです。で すから被害者の気持ちとしては本当に治らなくなるまでは、被害者自身 があきらめるまでは治療したいです。しかも、症状固定にしてしまって、 後遺障害の診断を受け、後遺障害に該当しなかったのでは以後の治療費 だけが出費となって続くことになります。これは避けたいです。加害者 が悪いし、加害者が補償すべきですが、それが出なくなると言うのは許 せません。  こうやって、後遺障害の診断を行う時期は遅くなるのです。ですが、 これは落とし穴らしいです。がんばって治療した結果、けがが良くなっ て、その結果、後遺障害に非該当になったら、気持ち的には非常にうれ しいし、いいことだと思います。周囲も褒め称えたいです。  ですが、すぐに申請していたら最低でも14級75万円もらえたはずなの に、直してしまった結果、非該当になってしまって後遺症分は1円も出な い、また、保険会社は6ヶ月しか治療費も慰謝料も認めない、こんな踏ん だり蹴ったりになることもあるようです。もし、交通事故の被害者になっ てしまった場合には治療中にでもがんばって調べてみたらよいと思います。  次回に続く。 ----------------- 参考:どの後遺症になったら自賠責からどのくらいの金額が出るかが書 かれています。任意保険からの金額や、紛争処理センタ、弁護士、裁判 所などでの金額は別です。 損害保険料率算出機構 自動車損害賠償保障法施行令(昭和30年政令第286号)より 別表第一及び別表第二 後遺障害別等級表 http://www.nliro.or.jp/service/jibaiseki/shiharai/list.html#soushutu -----------------------------------------------------------------  感想、要望、不明点などありましたら、下の登録解除のURLから匿名で できます。 ----------------------------------------------------------------- 発行人:しばのぶ sibanobu@nifty.com 登録解除:http://homepage2.nifty.com/siba-nobu/tr_acc/ 感想は、上のURLから匿名でできます。 このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』 を利用 して発行しています。http://www.mag2.com/ (マガジンID: 0000115004) -----------------------------------------------------------------